密入国し放題!?セネガルとモーリタニアの国境沿いを歩いてみた
こんにちは。山田です。
雨季のセネガルでは時折豪雨になるのですが、そうするとハエが雨宿りしに家に入ってくるので困っています。
「まあ特に悪さしないし入れてやるか。ハエも大変だよね」
と仏のような心でドアを開放していると、調子に乗ったのか数十匹もきたのでさすがに追い出しました。
さて少し前に、セネガルとモーリタニアの国境付近にある世界遺産「サン=ルイ島」へ行ってきました。
ちなみにフランス統治時代の古い街並みが世界遺産となっています。
「セネガルいいところだから日本人に知ってもらいたい!」
「日本人に来てほしい!」
と思っている私がこういう事言うのもアレですが、正直サン=ルイ島の街並みには特に感動しませんでした(おい)
なお以前マチュピチュに行った時も感動しなかったので、感動のハードルが人より少し高いのかも知れません。なおエジプトのピラミッドは超感動しました。
こんな橋とかある少しオシャレな街でした
海沿いで見た牛の大群に感動。世界遺産の街並みぜんぜん関係無い。
子猫がかわいかった。
「あーあ、はるばる首都ダカールから来たのに…」
こんなバスにぎゅうぎゅう詰めで半日がかりで到着
と思って残念がっていたのですが、ふとモーリタニアとの国境が近い事を思い出して、
「そういえばアフリカの国境ってどうなってるんだろう??」
と気になり、行ってみる事にしました。
そこで今回は…
セネガル・モーリタニア国境沿いの様子を、
写真とともに大公開します!
西アフリカの国境沿いを散歩したい人は必見です!(そんな人いるのか)
「アフリカ陸路国境越え」という字面とのギャップがすごかった
みなさん、国境と聞くと何が思い浮かびますか?
一般的に、「国境付近」というのはあまり治安が良くなかったり、また警備が厳しく銃を持った兵士がいたりといったイメージがあると思います。
実際、海外で陸路で国境を越えた事のある方はあの国境付近の独特の街の雰囲気をご存知だと思いますし、国境付近で危険な目に遭った方もいるかもしれません。
私も過去にアジアや中東諸国などで国境付近に何度も訪れていますが、その際は「長居してはいけない(アブナイ)雰囲気」が流れているのを感じました。
さて、今回はアフリカの国境沿いです。
セネガル生活では安心しきってバスで終点まで乗り過ごす私でも、さすがに国境接近は少し緊張しました。
「近づいて(見に行って)大丈夫だろうか?」
「まさか拉致られたりしないよね…?」
と一抹の不安を抱えつつも、せっかく来た国境付近。
「近いから」
という流川が高校を選んだのと同じ理由で行ってみる事にしました。
こんな馬車で移動します。
ちなみにセネガルでは馬車が現役の車両として活躍。
馬車にもナンバープレートが付いています。
↓ ↓ ↓
ここで馬車に降ろされました。
「終点だからここからは歩け」との事。
「 うーん明らかに車輪の跡続いてるし終点とかめんどくさいから言ってるだけじゃないのか?」
と思いましたが、まあいいかと思って降りました。
ですがその後一人で歩いているうちに一抹の不安が襲ってきました。
「もしかして馬車の人、”(これ以上先は危険だから)行けない”って事だったのか?」
「人気が少なすぎる…」
そんな思いで国境へ向かう私。
歩く事十数分。ついに国境に到着しました!
そこで待っていたものとは!?
果たしてどんな光景が広がっていたのでしょうか!?
それがコチラ!!
↓ ↓ ↓
平和すぎる。
てか警備の人とか誰もいないし足跡見ると完全にみんな歩いて国境越えてる…
そして柵すら無いしもはやどこが国境かわからん。
そう思ってスマホのGooglemapで現在地を確かめると、
やはりこの木の辺りを境に向こう側がモーリタニアのようです。
なお、国境線は東側に少し進むにつれ急激に斜め上に伸びています。
なんかジョギングで国境超えとる…
連続写真に「No Border」という名前を付けてみました。
え?いや違うしカッ○ヌードルのCMとか知らないし。てか俺の方が先だし←
子どもがサッカーとかしてる…
なんか想像してたのと180度違う。
写真は撮れませんでしたが、筋トレしてる集団もいました。
私も思わずテンションが上がってこんな事したりミスチルのイノセントワールドを熱唱したりしていましたが、そうこうしているうちに日が暮れてきて、さすがにちょっとまずい気配を感じたのでその日は帰りました。
え、歩きで輸入?故郷モーリタニアで徒歩で帰る人達にインタビュー
結局この場所を気に入りすぎて2泊3日間の滞在中、朝と夕方の計4回(15時間)も行ってしまいました。
ある日ガンダーラを口ずさみながら国境付近で一人黄昏ていると、
ブーン…
あ、なんか白くて大きめの車が来る…
ん!?なんか荷台?に強そうな男が乗ってるし荷物スゴいしなんかヤバいかもでも写真撮りたいどうしよう
そうだ、草を撮影している無害な人のフリをしよう!
という事で撮った写真がコレです。
焦り過ぎて露出がすごい事に
そしてそのままの姿勢で車がやってくるのを待ち、決死の思いで撮影した写真がコチラ!!
怖い人達かと思ったら普通に挨拶をして、彼らはモーリタニアへと入っていきました。
「なんて爽やかな密入国なんだ…」
そう思っていると、また遠くから人影が。
ひとり、ふたり、さんにん、よにん…やばい!?
と身構えて距離を取りつつ現地語で挨拶してみると、笑顔で答えてくれた彼ら。
でもあれ、なんかあんまり現地語理解してない?
てかなんか顔がセネガル人っぽくない?と思ってこんどはフランス語で聞いてみると、
なんとモーリタニアの人でした。
「どこへ行くの?」
「モーリタニアさ」
「何しに?里帰り?」
「いや、砂糖を買いに行くんだ」
ふーん砂糖ねなるほどねー。
ってなんで砂糖買うために国を越えるわけ!?
もしかしてそれ砂糖って隠語で別の白い粉じゃないよね!?
と思いわざわざ国を越えてまで買いに行く理由を聞いてみたところ、どうやらモーリタニアの砂糖は質が高い事で知られていてセネガルに持ってくると結構売れるんだそうです。また一つムダなトリビアが増えてしまった…
そして彼らはピクニックのように歩いて国境を越えていきました。
うん。フリーダムすぎる。
自分の先入観に気付かされたとかいうちょっといい話
そんな様子を眺めていると次第に、
「てか一応ここ国境なんだけどこんなにボーダーフリーでいいの?」
「密入国し放題?」
「カッ○ヌードルのCMの影響?←」
「そもそもここは本当に国境なのか?」
という疑問がふつふつと湧き出してきました。
そんな時、国境付近を散歩しているおじさんを発見したので、ちょっと国境について聞いてみる事にしました。
「おじさーん、アッサラームアーレクム(現地語でこんにちは)」
おじ 「マーレクムサラーム(現地語でこんにちは)」
「元気?」
おじ 「元気だよ。」
「おじさんはどこへ向かってるの?」
おじ 「いや特に。さんぽだよ」
「そっかー散歩か。そういえばみんなジョギングとかして国境越えてるけど大丈夫なの?密入国し放題?てかここ国境だよね?」
するとおじさんから衝撃の言葉が!!
おじ 「うん国境はここだよ。まあ別に少し越えても戻ってくれば大丈夫。
ちなみにここから7キロ先くらいに検問があるから、みんなそこを通るはずだよ。」
ここでさらに疑問が。
なんで国境に検問作らないのだろうか?
てかせめて塀とか番人とかさあ…!?
と思ったところで私はハッとしました。
そうか、国境とは「柵や壁などで分断されているもの」と勝手に思っていたが、平和ならそんな事する必要無いんだ、と。
なんかいい所だな、サンルイ。そう感じながら旅の終わりを迎えたのでした。
ちなみにおじさん曰く国境は1,000FCFA(日本円で約210円)ほど払えば通れるとの事。
そんな誰にも役立たないトリビアで今回は以上です。



